小売店やメーカーの皆さま、日々多くの販促物制作に頭を悩ませてはいないでしょうか?
販促物は、店頭POP、チラシ、ウェブバナー、SNS広告など、限られたスペースと時間の中で、いかに消費者の心をつかみ、行動を促すかがポイントです。そのポイントのひとつに「伝えたいことを一つに絞る」という原則があります。
なぜ「一つに絞る」ことが重要なのか?
現代は日々膨大な情報に溢れています。
電車の中吊り広告、街頭のサイネージ、スマートフォンの通知。そんな情報過多の時代において、人の注意はますます短くなっています。ちなみに、アメリカの調査会社による現代人の平均注意持続時間はわずか8秒といわれいるようです。すごいですね。
このような状況下で、販促物を作る際にいくつものメッセージを詰め込んだtpしたらどうなるでしょうか?
考えられることは次のとおり。
1.情報過多による混乱:複数の情報が混在することで、消費者は「結局何が言いたいの?」と混乱し、最も伝えたいはずの核となるメッセージが埋もれてしまいます。
2.注意の分散:視線があちこちにさまよい、記憶に残りにくくなります。人は一度に多くのことを記憶できません。
3.行動の停滞:最終的に何をしてほしいのかが不明確だと、消費者は次に取るべき行動がわからず、購買意欲が削がれてしまいます。
結果として、時間とコストをかけて制作した販促物も真の目的に沿った効果を発揮できずに終わってしまう可能性が高まります。
そこで重要なのが、「伝えたいメッセージを一つに絞る」ことなのです。
「一つに絞る」ための実践ステップ
具体的にどのようにして伝えたいことを一つに絞り込めば良いのか、ポイントをご紹介します。
1.ターゲット顧客と目的の明確化:まず、誰に、何を伝えたいのか、そしてその販促物で何を達成したいのかを明確に定義します。例えば、「30代女性の忙しい母親に、時短になる新商品の冷凍食品の魅力を伝え、購入につなげたい」といった具合です。
2.自社の商品やサービス独自の強みや価値提案の特定:あなたの製品やサービスが持つ最もユニークで、顧客にとって価値のある強みは何でしょう? それは他社との差別化のポイントであり、顧客がそれを選ぶべき理由となる「たった一つのベネフィット」になります。それを明確にしましょう。
3.メッセージの優先順位付け:リストアップした伝えたいことの中から、前述のターゲットと目的に合わせ、最も響くだろうメッセージを一つだけ選びます。他の要素は思い切って削除するか、別の販促物で伝えることを検討しましょう。
4.キャッチコピーの磨き込み:選んだ一つのメッセージを、短く、分かりやすく、魅力的なキャッチコピーに落とし込みます。
例えば、「肌に潤いを」ではなく「1日中しっとり肌、奇跡の美容液」と、具体的なベネフィットを想像させる言葉を選ぶといいでしょう。
5.ビジュアルとの連携:メッセージを補強するビジュアルもそのメッセージを際立たせるものを選びましょう。余計な要素は排除し、シンプルかつパワフルにメッセージにします。文字情報と写真やイラストが互いに邪魔し合うことのないよう、バランスを考慮しましょう。
まとめ
販促物制作において「伝えたいことを一つに絞る」という原則は、単なるデザインのテクニックではありません。
それは、消費者の心理を理解し、コミュニケーションの質を高めるための最も効果的な戦略です。
この原則を実践することで販促物はより強力なツールとなり、目的に沿った成果をもたらすことでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。